★★★★☆
難しい映画だ。
私は、この映画が好きかどうかと聞かれれば、好きだと答えるだろう。
しかし、それは私が主人公の「おじさん」と同年代だから、という疑念が頭から離れない。
小松菜奈さん演じる、橘あきら氏の魅力は溢れんばかり。
素敵な役者さんだし、今後の活躍にも期待している。
で、大泉洋さん演じる近藤正己氏が言う所の、つまり、思い出す、という感情に自分自身も陥ってしまった。
青春のふてぶてしさは、私をいつも困らせるし、それはこの歳になった今でも何も変わらない。
そんな中、美しい17歳の女子高生に好意を寄せられて、悪い気はしないのは当たり前だ。
近藤店長はよく我慢した。
私の思うところは、それだけだ。
● ● ●
それとは別のところで、カメラワーク、なのかカメラ割りなのか、素敵だと思う場面が多かった。
最初のファミレスの絵面など、非常に好みの場面が多く、映画の美しさとしても楽しませてもらった。
音楽も良い、が、少し主張が激しいかもとは感じるが、あれぐらいがちょうど良いのかもしれないとも思う。
PVやMVのような仕上がり、とまでは言わないが、かなり意識しているように感じた。
まあ、小松菜奈さんはそれほどに素晴らしかった。
● ● ●
喜屋武 はるか役の清野菜名さん倉田 みずき役の山本舞香さんもすごくよかった。
光ってた。
唯一、残念だったのは男性陣が、今ひとつだったこと。
自然体、というのは本当に難しいのだろうと改めて感じさせる作品だった。
大泉洋さんでさえ、この難しい役をギリギリでこなせずにいたように思う。
全然、悪くないが、もっとよくできたはず。
他の方は、フィルムに乗っていないかのように、浮いていた。
● ● ●
満点ではないのは、男性陣のこともあるが、全体的に短い気がしたからである。
もっと深く、この物語について知りたかった。
私は、原作も読んでいないし、アニメーションも見ていない。
だからだろうと思う。
これから、みようと思うが、この映画単体で見た感じでは、総合的に、非常に良い映画だと思う。
ただ、短すぎるため、もっと深く深く、知りたいという欲求が溢れてしまった。
原作と、アニメーションをみようと思う。
コメント