★★☆☆☆
私には、継ぎ接ぎだらけのプロモーションビデオみたいに見えました。
いじめ、片親、腹違い、生き別れ、エロ、幼女、失禁、浮気、障害者、ガン、死、猟奇。全部入り。
かといって、それぞれが繋がっている訳じゃなく、何か一つの問題が起こってそれが軟着陸したら、次の問題に移行していく、の繰り返しです。
よくある、出演者が同じで主人公が変わっていく短篇集のような感じにも見えたのですが、かといってそんな緻密な感じでもなく、まったくピンと来ませんでした。
最後は出演者勢揃いでラスボスに向かっていくという、まるで、ドラゴンクエストⅣのような足取り。
「変わらない」という言葉も、「勇気がない」という言葉も、「ママを好きでいてもいいですか」という言葉も、「温かい」という言葉も、どれも、どこかCMのような、記号のように当てはめれらただけの酷く安っぽい言葉に聞こえてしまって苦しいです。
安澄(あずみ)は、鮎子(あゆこ)は、本当に、そんな風に思っていたのでしょうか。
仮にそんな風に思っていたとしても、本当に、そんな風に言葉にしたのでしょうか。
感情のない、張りぼてのような文言の連続に、劇中の安澄のように吐き気がしました。
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しかし、10満点でいうと、10点満点の連続です。
オリンピック団体戦の金メダル選手達を見ているような試合運びでした。
とにかく、宮沢りえさん、杉咲花さん、伊東蒼さん、オダギリジョーさんが素晴らしすぎるのです。
演者さんのお芝居を見る為だけに、この映画は存在しているのだと思います。
そんな張りぼての言葉たちに、懸命に命を吹き込んで下さって感謝しかなかった。
それを証拠にアカデミー賞では、最優秀主演女優賞と最優秀助演女優賞が贈られたようです。
とにかく、宮沢りえさんが終始いい顔をされていて。
この映画の救いです。
杉咲花さんの喜怒哀楽のすべて、伊東蒼さん自然さ、どれをとっても申し分なし。
オダギリジョーさんは、オダギリジョーwwwってな感じで画的なクッションにもなってくださっているし、演者さん達が素晴らしすぎました。
映画を見ている間中、何で自分ずっと泣いているのか分からなかったのですが、
演者さんのお芝居に泣かされたのだなと、今は分かります。
あと、何故かずっと丸山夏鈴さんを思い出している自分がいました。
そのせいもあったのかな、と思います。
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