★★★★☆
いつも、最初に作品のPVを張っているが、この映画に関してはPVすら見ない方が良いのではないかと思う。
安藤サクラさんのための映画だった。
私は「愛のむきだし」という映画が大好きなのだが、そこでの安藤サクラさんもすごくよくて。
この映画は、100点をつける方と、0点をつける方に大きく分かれるような作品のように思う。
「ジョゼと虎と魚たち」という映画があるのだが、それを見た事があって、嫌いではないなら、この映画も大丈夫だと思う。
しかし、そういう、あういう感じの映画があまり得意でないなら、この映画も得意ではないのではないかと感じる。
私は、70点。
とある一つの表現方法に嫌悪感があって、それが-30点である。
見た方なら、どこか、わかってくれると思う。
そうあのシーンだ。
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70点の満点全ては、安藤サクラさんへである。
実際に、ボクシングをしながら撮影されていったのかは分からないが、ダメな人間が、ダメなりにもがき続ける事に対する表現が、体全体から現れていて、非常に感銘を受けてしまった。
ずっと負け続けている人間は、やはり、最終的に負け続けるのかも知れない。
この映画のラスト以降、やっぱり、またループするのかも知れない。
ただ、少しだけ接客がうまくなっていたり、という些細な変化は、そんなような自分が気がつかないほどの些細な変化は、後に大きな変化がもたらせる前兆になるのではないだろうか。
いや、やっぱり、ならないかもしれない。
でも、それでもまあ、生きていかなきゃならない人生の中で、そんな、自分でも気がつかないほどの些細な変化が、周りの誰かの気持ちを、ほんの少しだけ変化させるかもしれない、という希望を持っても良いのかもしれない。
と、そんな気持ちにさせてくれたり、させてくれなかったりした、そんな映画である。
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